私たちの体温の熱源となっているボイラーはどこ?
哺乳類は、体内で発熱し体温を自立的に保つ進化をしています。しかし、そもそも、臓器にボイラーのようなものは聞いたことがありません。体温が37度程度であるということは、体内で熱を恒常的に発生している元があるはずです。工学的な発想で言えば、ボイラーや熱交換器があるはずです。
私たちは、食物を食べて、それを必要なエネルギー源に変換する、いわゆる『異化』する際のエネルギーを熱源として体温を維持しています。そのため、大量の食物を摂取する必要があります。
私たちの動きの原理は筋肉(駆動機構)です。これを動かすエネルギー源はATPと呼ばれます。アデノシン三リン酸の英語表記の略号です。
これは、肝臓や腎臓とかいった1箇所の臓器で増産されて体の各部に伝送されえるのはありません。それでは、いざというときに、各筋肉に伝送が追いつかなる可能があります。進化の過程で、筋肉を動かすエネルギー源を生む仕組みを、それら筋肉の細胞内にもたせるような効率のよい仕組みになっています。肝臓、腎臓、筋肉、脳などの代謝の活発な細胞に数百、数千個のミトコンドリアが存在し、細胞質の約40%を占めており、 平均では1細胞中に300-400個のミトコンドリアが存在し、全身で体重の10%を占めているようです。
工学技術で例えれば、モータやエンジンにエネルギー源を内包した設計のようなものです。いざというときに個々のエンジンが駆動できます。燃料ラインの不具合で動かなくなるリスクもありません。
ごはんを食べて、グルコースが体内に供給されると、このグルコースから、ATPを作る(合成)細胞をミトコンドリアと呼びます。出来たATPはその近傍に蓄えます。体の中にあるATPは数百グラムのようです。人間は1日に自分の体重相当のATPを合成し、同じ量だけATPを分解しているようです。
化学反応なので『反応熱』が出ます。それが熱源となって、血流により、全身に熱が分散して体温になる状況です。
上記の説明は引用がありませんので、関心があれば探求してみてください。ミトコンドリアのことを調べると、進化の深遠さ、興味深さを感じることでしょう。
ミトコンドリアのイラストは、以下のようなイラストが多いです。これは細胞をスケッチするとこのように見えるからです。

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monomania
モノを分解したり、修理したり、改造したり、また、科学技術に関する歴史を探求するのが大好きです。こうした経験はものづくりに役立ちます。

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